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動物園パラレルその2

狂気の動物園パラレルの続き。こんな頭のおかしいつぶやきに注釈つけるのもなんですが、死にネタなのでご注意下さい。ほんっとにいったい何を書いてるんだ私は…
とはいえあっちは若いのでそう簡単には殺せない。それどころかつつき殺そうとして攻撃を仕掛けると三倍くらいでやり返してくるためクジャクはいつも傷だらけに。美しい羽はむしられ、しゅっとした独特の姿勢も痛みのために崩れ、クジャクはいつも苦しそうにぜいぜい息をしています。新しいクジャクの方もそれほどではないにしろ生傷が耐えない。せっかく仲間ができたのにちっとも仲良くできないクジャクたちに、飼育員は胸を痛めていました。オス同士だしそんな簡単に群れられないのかもしれない、と考え、老いたクジャクをとりあえず檻に隔離。これ以上傷が深くなると命にもかかわるので、仕方のない処置でした。そして新しいクジャクを「新しい方のアンク」と呼び始めました。
クジャクはそのとき、激しい嫉妬と絶望を感じました。

あいつは俺を選ばなかった。

その悲しみと憎しみはクジャクの命を削り取っていきました。食べることも起き上がることもできず、日がな一日、静かに横たわって目を閉じているだけです。動物園を訪れる子供たちにクジャクと新しいクジャクの違いを判別することはできません。新しいクジャクも小学生を追い掛け回したりして凶暴だったため、動物園の光景は何ひとつ変わりませんでした。
飼育員は日に日に衰弱していくクジャクの檻を手が空くたびに訪れ、往時の美しさを完全に失ってしまったぼさぼさの羽根をそっと手で撫でて言いました。
「早く元気になれよ。お前は、俺の初めての友達なんだから」

その言葉を聞いたとき、クジャクは命の最後の火が全身を燃え上がらせるのを感じました。火は赤くなり、白くなり、やがて色を失い、クジャクの目から光を奪いました。自分を見失いそうな熱さの中で、強く強く、人間になりたい、と思いました。翼なんかもういらない。同じ高さに立って、語りかけられる体が欲しい。自分から何かを働きかけることのできる存在になりたい。

暗闇の中、目を開けると、クジャクは人間になっていました。願ったとおりに若く、美しい男に変わっていました。クジャクを腕に抱いていたままの飼育員は驚きのあまり声すら出ないようでした。クジャクは、彼に何かを語りかけようとして、しかし何も話すことができませんでした。その代わりに、ぎこちなく笑いました。彼も同じようにぎこちなく笑い返しました。ありがとう、という言葉が一度だけ、頭の中に浮かんで消えました。クジャクはふたたび目を閉じ、自分を包んでいた炎が消えていくのを感じました。

欠けた月のかがやく夜のことでした。
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